ブランディングやマーケティング施策を考える際に、商品やサービスにおける顧客のタッチポイントごとに考えるべく、カスタマージャーニーを描いて検討することがありますが、従業員も同様に「従業員ジャーニー」を描いてそれぞれのタッチポイントにおける人事関連の施策を考えることがあります。この記事では企業の理念やカルチャー浸透について、従業員ジャーニーを用いて見てみましょう。

 

 

従業員ジャーニーとは

エンプロイー(employee=従業員)ジャーニーと呼ばれることもありますが、従業員が入社する時から退職するまでの道のりを示したものが従業員ジャーニーです。企業経営とは大きく「戦略」と「組織」の2つから成りたっていますが、その柱の1つである組織を形作るのが従業員一人ひとりになります。商品やサービスが無い時代においてはモノを作って売れば儲かるというシンプルな方程式だったので、より儲けるためにはいかに効率的に生み出すかどうかが鍵でした。しかしモノやサービスが溢れている現代において、企業が継続的に価値を生み出していくには、常に創意工夫が必要です。企業が生き残るために、これまでにない新しい価値を提供する優れた戦略と、人々が求める新商品や新サービスを考えられる優れた組織が鍵となります。優れた組織のために、従業員のより深い関わりを意味する「エンゲージメントの向上」や、従業員が気持ちよく働ける環境を生み出し創造力を発揮してもらえるように「従業員満足度調査の実施」など、近年の経営課題の1つとして従業員の状態がより一層着目されています。

従業員の従業員が会社の制度や文化に触れて、何かを体験したり体感するポイントを可視化することにより、どこでどのような施策を打つとエンゲージメントや満足度を効果的に向上させることができるかを検討する手助けになります。

従業員エンゲージメントを描くには、複数の従業員にインタビューを行い、どのような感情で仕事に取り組んでいるかを話してもらい作成しますが、大まかなジャーニーの流れはだいたい下図の6つのポイントになります。

カルチャー形成に欠かせない従業員ジャーニー

 

従業員ジャーニーにおけるカルチャーのタッチポイント

従業員ジャーニーを活用して、企業文化醸成・浸透についても検討をすることができます。それぞれのタッチポイントでどのような接点と工夫が考えられるかを見ていきましょう。

募集・採用

採用の目的は、会社が決定した戦略を進める際に、現組織に足りない能力を補うために行われます。しかし、採用する時には現時点の能力だけではなく、過去の履歴から推測される将来的な可能性や、能力を最大限に発揮するために採用しようとする人が持つ価値観が企業のカルチャーにフィットするかという観点も選考のポイントになります。つまり、能力を持つ人が集まってくれることを待つだけでなく、「この会社で働きたい」と思われるような魅力的な会社であることも必要です。

カルチャーのミスマッチを避けるために、会社の内部の人とカジュアルな面談の機会を設定されることもありますし、企業の文化をまとめた「カルチャーブック」のようなものをウェブサイトに公開し、あらかじめ企業文化についての理解を深めてもらうこともあります。

そもそも企業の知名度が高くない場合には、名前を覚えてもらったり、特別感を出すためにノベルティを配布することがあります。普段の生活の中で企業名を目にしてもらうために文具などよく使うものが配られますが、自分がお気に入りのものを既に持っていたり、大量にばらまく目的として安価なものが用いられていると使いづらかったりしてお蔵入りしてしまうこともあります。せっかく配るのであればもらって嬉しい、重宝するグッズを選びたいですよね。

また就職する側は何社か並行で受けて、自分の本命が決まると「内定を蹴る」こともあるので、企業側が人材を逃してしまう前に気持ちを引き留める1つの手段として、オリジナルグッズを贈るケースも増えてきています。

オンボーディング

何事も最初の体験が後の生活の良し悪しを決めます。実際に組織の中に入り従業員生活を始めるのがこのタイミングです。ここでの体験が良くないと早い離脱にもつながってしまいます。まずは何よりも歓迎の気持ちを伝え、仲間になってくれたことに感謝します。入社初日に企業の気持ちを示す形として、オンボーディンググッズを贈る企業も増えてきました。受け取ったグッズの印象が豪華であれば、従業員は会社が自分を大切に想ってくれていると感じ取ることができ、これからは自分が会社に貢献する番という自覚をもって好スタートを切れるかもしません。

この時期、何がどのような順番でインプットされるかも重要です。従業員のその後の道のりがスムーズとなるよう必要な情報を提供するのはもちろんのこと、大事にしたい価値観や考え方を理解してもらえるように、様々な形で伝えます。

先のオンボーディンググッズにも表現を込めることができ、例えば大切にしたい価値観が「スマートさ」であれば、デザイン性に優れ使い勝手の良い電子製品やミニマルデザインのもの、「おもいやり」であれば、職人の手により1つ1つ大事に作られたマグなどストーリー性のあるものを選びます。

 

エンゲージメント

従業員へのインプットが済んだら、従業員側からアウトプットを出してもらう番です。タスクはマンネリ化することも多々あるので、常にエンゲージメントを高められるような施策が必要になります。年に一度のキックオフを通じて士気を高めたり、そのタイミングに合わせて何か目に見えるモノで次の年のテーマを表現し、デスクに置いてもらえると士気の維持に役立つかもしれません。

 

能力開発

仕事に慣れてきて、成果を実感するようになると、更なる向上のためにスキルアップにも積極的になります。業務に関連することだけでなく、昇進に役立つスキルや、将来会社の上層部になった時に役立つような知識を身につける機会を提供することで、モチベーション向上にもつながります。

 

成果発揮

従業員生活の中で成果を出せているか、定期的なフィードバックを行い、何か障壁がある場合は取り除き、より良いパフォーマンスを出してもらえるように環境を整えます。

目覚ましい成果を上げている従業員を表彰することで、モチベーションの更なる向上につながります。高級感のあるものやブランド力のあるグッズが喜ばれます。

 

卒業・リファラル

従業員の価値感やライフステージの変化などにより、どうしても組織を離れるタイミングが来てしまうこともあります。まずは従業員が実現したいことを自社でできないかよく話し合い、留まることも検討してもらいます。その従業員が卒業することになったとしても、それまでの会社での体験が良い場合には他の人に薦めてもらうことができ、新たな人材獲得につながる場合もあります。

働くこと自体の卒業の節目を自社で迎えてくれることもあります。長年貢献してくれた社員にはぜひ感謝の気持ちを込めて退職祝いを送りましょう。自分では買えないけれどプレゼントされると嬉しいものや、従業員を支えてくれた家族への感謝の気持ちを込めたペアセットがおすすめです。従業員やその周りの人を大切に想うカルチャーは従業員の心に深く残ります。

 

カルチャー浸透を従業員ジャーニーで考えるポイント

様々な雇用形態で考える

最近は会社への関わり方が多様化してきました。業務委託、パートナー企業、あらゆる関りを持つ人たちのジャーニーにおいて、カルチャーを共有できるタッチポイントが無いかも探してみましょう。
例えパートタイマーだったとしても会社での有意義な体験が、良い口コミや評価を得て、企業のブランディング向上につながるかもしれません。

 

フェーズによって見直す

企業の成長期、安定期、変革期などフェーズによっても従業員の体験は大きく異なります。企業が伝えたいメッセージも変わるため、数年に一度は見直し、新たな施策を考えるなどのテコ入れが必要になります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。従業員ジャーニーで企業カルチャー形成を考えると、CultureGoodsも有効な手段の1つであることがわかります。

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