オリジナルグッズを製作しようと考えている人にとって、著作権違反をしないことは非常に重要です。自分が製作したものが、知らないうちに他の人の著作権を侵害しており、罰せられてしまうということが起こるかもしれません。

この記事では、グッズを製作する際に著作権を侵害しないためのポイントや、著作権の基本的な意味について解説します。しっかり理解して、安全にグッズを製作しましょう。

著作権・肖像権とは

まずは、著作権と肖像権について解説します。グッズを製作する上で、これらの言葉の意味を理解しておくことは必須なので、必ず把握しておきましょう。

著作権とは

著作権は、著作物を生み出した作者に与えられる権利で、小説、論文、曲、歌詞、絵画、建造物など、個々の表現がこれに含まれます。著作権の重要性は、作者の利益保護と文化振興にあります。

作者が自身のデザインを勝手に利用された場合、創作意欲の低下や文化的価値の濫用が懸念されます。子どもの場合も同様で、保育園で描いた作品が芸術的価値あるものと評価される可能性があるため、親が無断で商品化することは侵害行為となります。

また、著作権は重要なルールであり、他人の著作物を利用する際は制限や条件を尊重する必要があります。小説、音楽、絵画、映画など、様々な著作物が私たちの周りに存在し、これらを利用することで生活が豊かになります。

しかし、他人が創作した著作物を利用する際は、権利者の許可を得ることが必要であり、条件に同意することで利用が可能となります。

著作権は自動的に発生するものであり、特に手続きは必要ありません。しかし、登録制度も存在し、著作者が安全に取引できるようにするために利用されています。

知的財産権には著作権以外にも特許権、実用新案権、意匠権、商標権などがあり、これらは登録が必要であり、保護期間や取得までにかかる作業に違いがあります。

参考:公益社団法人著作権情報センター「著作権って何?」

肖像権とは

肖像権は、自身の顔や容姿が他者に無断で撮影・利用されない権利を指します。写真や絵画、彫刻などがこれに含まれ、特に個人が特定可能な場合には侵害とされることがあります。写真を撮る際は被写体の許可が必要で、撮影が認められても使用する場合は事前に被写体の同意が必要です。

肖像権の重要性は、肖像がその人の人権そのものであり、プライバシーの保護に関わるからです。興味深いことに、著作権とは異なり、肖像権は法律で厳密に規定されていません。

例えば、SNS上で無断で拡散された写真が、被写体にとって名誉棄損やプライバシーの侵害となる場合、法的な問題が生じる可能性があります。著作権や肖像権は、私たちの日常に潜む重要な概念であり、「自分や相手を守るための権利」と理解し、慎重に物事を進める姿勢が求められます。

従って、「著作権や肖像権」を軽視してグッズを製作することは、避けてください。

著作権を侵害してしまうオリジナルグッズ

次に、著作権を侵害してしまうグッズについて解説します。これらに該当するグッズの製作を検討している場合は、注意しましょう。

原作のキャラクターを許可なく使用している

原作のキャラクターを著作者の許可なく使用・制作・販売すると、著作権侵害に該当してしまいます。これはコミックやアニメ、テーマパークなどでよく見られる問題で、原作のキャラクターを無償で広く配布する行為も同様に侵害です。

更に、著作者が著作物に無断で改変を加えることは法的に禁じられています。例えば、微細な変更を加えたプリントを使用する場合でも、これは著作権の侵害に該当します。原作のキャラクターを使用する際は、著作者から正式な許可を得ることが必須です。

芸能人の写真を許可なく使用している

有名人の写真を許可なく使用し、グッズを制作・販売してしまうと、肖像権侵害に該当してしまいます。従って、「無断で画像を使用する」「許可を得ずに撮影した映像を公開する」などの行為は違法です。

特に、グッズに一般人が写ってしまった写真を使う場合でも、肖像権侵害に該当します。被写体が誰であるのかわかる写真をグッズに使用することは、法的なトラブルを引き起こす可能性が高いため、慎重に対処する必要があります。

他人が撮影した写真を許可なく使用している

ネット上で簡単にプロの美しい写真や印象的な写真を見つけることができます。しかし、「人物が写っていないから肖像権の心配はないだろう」と考えがちですが、これは誤解です。写真も著作物であり、プロの撮影写真を無断で使用してグッズを販売・配布することは、著作権法に抵触します。

同様に、建築物が創造的であると認識される観光地にも著作権が存在します。インターネット上に公開されているこれらの観光名所の写真をグッズに使用することも避けるべきです。著作権の尊重は、創作者の権利を守るだけでなく、法的なトラブルを回避するためにも重要です。

著作権を侵害していないオリジナルグッズ

次に、著作権を侵害していないグッズについて説明します。これらが当てはまることを確認しながらグッズの製作を進めましょう。

利益・商用で利用しない

個人的な楽しみとして、有名人・キャラクターを含むグッズを作成しても、著作権に触れることはありません。しかし、グッズをネットで公開したり、販売利益を得たりする場合は、著作権法に違反します。

こうした行為は法的な問題を引き起こす可能性があります。あくまで個人的な楽しみとして制作したグッズに止め、商用利用しなけば、著作権を侵害しません。

許可を得て製作する

著作権や肖像権において懸念されるのは、すべて許可なく使用することです。ですから、著作者や被写体から許可を得て使用すれば、著作権侵害として問題になる可能性は低くなります。

有名キャラクターや芸能人とのコラボグッズは、利用許諾を取得し、適切な契約と対価の支払いがあって初めて制作されます。許可を得ることで法的なトラブルを回避し、安心して商業活動を展開することができます。

自分で作成したキャラクター・撮影した写真を使う

自分で発想したキャラクターを活用すれば、他の著作者の権利を侵害する心配はありません。オリジナルキャラクターには自身が著作権を有しているため、使用や販売、配布などは制約なく行えます。

著作権の法的なリスクを回避するためには、独自のキャラクターを考案し、専門業者にグッズの作成を依頼するのが良いでしょう。

また、自分で撮影した写真はグッズに使えます。ただし、個人が特定できる人物が写っていないかに留意することが重要です。自らが撮影した写真を活かすことで、著作権の範囲内でクリエイティブな活動を楽しむことができます。

著作権を侵害せずにオリジナルグッズを製作するポイント

最後に、著作権を侵害せずにグッズを製作するポイントについて解説します。すでにグッズの製作を始めており、怪しいと感じている場合は、これらのポイントを押さえて進めましょう。

著作権を侵害する可能性があるものは避ける

著作権は、作品の制作者が保有する重要な権利であり、制作において最も厳重に考慮すべき要素です。

例えば、インターネットで見かけたイラストや写真などを利用したい場合、それらが著作権によって守られているならば、使用許諾を得ない限り法的な問題が発生する可能性があります。些細なデザインであっても、そのオリジナリティに触れることが著作権侵害に結びつくことがあるため、細心の注意が必要です。

クリエイティブな活動を行う際には、著作権を尊重し、侵害の可能性がある素材は避けることが重要です。

製作する業者のポリシーを確認する

グッズを制作する際、外部の印刷業者と連携することがあります。しかし、印刷を依頼する前に、その業者が著作権に対してどのような方針を持っているかを確認することは極めて重要です。

印刷業者が表現の自由や知的財産を真剣に尊重しているかどうかを見極め、信頼できるパートナーを見つけることが必要です。製作の過程で著作権に配慮することは、クリエイティブな活動を安心して進めるために不可欠です。

オリジナルのデザインで製作する

クリエイティブな活動を展開し、著作権侵害を回避する最も確かな方法は、オリジナルデザインの制作です。自身で独自のキャラクター、ロゴ、デザインを考案し、制作することで、他の著作物との類似性を回避できます。このアプローチにより、創造性を発揮しながら法的な問題を回避することが可能です。

どうしても使用したい場合は許可を得る

自身のクリエイティブなプロジェクトにおいて、他者のデザインを使用したい場合は、著作権者から許諾を得ることが必要です。グッズ制作に携わる際には、事前に権利者に連絡し、許可を得ることで、著作権侵害を回避できます。クリエイティブなアイデアを実現する際に、協力や許可取りのプロセスを経ることが大切です。

まとめ

オリジナルグッズを製作する際には、著作権を侵害しないように慎重に行う必要があります。知らないうちに著作権を侵害することがないように、しっかりと意味や回避するためのポイントを理解しておきましょう。